やってることは温いですが18禁です。
年齢達していない人は見ないでください。
そして古泉が結構ひどいです。
王子様のような古泉しか耐えられない人はバックプリーズ。

































































濁った真意


俺がこいつに「   」と伝えてから1,2週間後の放課後だった。
こいつにどこか似た、物の少ない部屋で古泉は座ったまま黙り込み俺自分で出した茶にも手を付けない。
俺がそれに手を付けて同じ様に黙っているせいで流れる空気は重かった。
「怖いんです」
沈黙を破り口にした古泉に視線をあげた。が、相変わらず古泉はこちらを見ていない。顔の前に組んだ手で眉間を抑え下を向いている。
古泉の部屋に招かれる。その段階に及ぶのには意外な程の労力と時間が必要だったのに更に苦労させられそうだ。
たった一言を伝えてから古泉は俺を前とは違う目で見る様になっていた。軽蔑ではなかっただけ良かったと喜ぶべきかもしれない。
しかしどんな見方、と説明することも出来ないこの視線に込められた感情が日に日に増していくかの様で日々恐怖を感じていた。
なんとなく前とは違うんだ。空気が。古泉が俺に向けるものが。
徐々に近付いてきた蛇が足下から這い上がってくるような感触に耐えられず、断罪と同じ様な気持ちで俺は今日求めた。あの日の返事を、答えを聞かせて欲しいと。
馬鹿だって思われるかもしれない。自ら関係を壊す様なことを望んで。古泉は聞かなかったことにしてくれようとしているのかもしれないのに。
しかしこうして向かい合って座っていればいる程訳が分からなくなるのだ。
「あなたは本当に僕が好きなのでしょうか」
普段の団活動の間の優しげな微笑みは俺と二人でいるときだけ身を潜めている。沈んだ雰囲気でこちらを見ようともしない古泉に悲しさだけが雫のように落ちる。
「正直、最初は偽物だと思ったんです。何かまた、涼宮さんの気まぐれか或いは別勢力の差し金か。だってこんなこと天地がひっくり返っても有り得ないと思っていましたから」
「なんで・・・」
思わず口から出た弱々しい声に、帰ってくるのは乾いた嘲り笑いだけ。
「雪山でもあなたの偽物が出たのですから、こちらの方がかえって有り得ない話ではないでしょう?」
信用されていない?
俺の中で導きだされた答えは絶望に堕ちるには十分だった。
嫌われている気はしていなかった、そんな勝手な思い込みに後押しされて言ってしまった言葉をもしも撤回することが出来たなら。
「でも、あなたが本物のあなただとして。僕は余計理解不能です」
元の古泉になってくれるか?
独り言でも言うみたいに、しかしやっと俺を見る。見てくれた、と一瞬だけ浮上する安上がりな心。だけど俺はそれをすぐに後悔した。
虚ろな瞳にむしろゾッとする。
「同情・・・?」
「違う」
否定はほぼ反射だった。それに対し溜め息をついた古泉が寄りかかりソファーが緩く沈む。
俺は受け入れられる以前に信用もしてもらえないことに悔しさと悲しみで唇を噛んだ。
心まで痛いのに、でもその感情が原動力となって俺はまだここにいられたんだ。
「じゃあ」
つ、と上げられた視線は疲労以外のものを含んでいた。これは俺の勝手な希望ではない。
例えるなら水にワインが溶け込んだみたいな色を感じさせられた。
「好きだと言うなら、なんだって出来ますよね?」
とろりと溶け込んだ熱を帯びた目線に不覚にも背筋を波が一気に駆けた。













「やだ、いやだぁぁ!」
着ていたTシャツで腕を縛り上げられているのに、それも忘れてもがく。
暗い部屋に慣れた目は古泉の意地悪な笑顔をよく映した。上半身に何も纏っていない古泉はとても綺麗で、だけど笑っていることが怖くて怖くて。
そもそも俺はもう何も着せられていない。Tシャツ以外はすべて古泉がベッドから届かない場所に投げ捨てた。
「何故?もっと恥ずかしいところを見せて下さい」
古泉が俺の下半身に顔を近づける。髪が腿を撫でたくすぐったさの後の強く握り込まれる刺激に目を剥いて驚きの声を上げる。
「触っただけなのにぐしょぐしょですよ?」
淫乱、ってこういうことを言うんですか?
そんなことを言わないでくれ。こっちは恥ずかしさで逃げたいくらいだっていうのに!
「答えて下さいよ。こんなにエッチでいやらしい体を毎日持て余していたんですよね?」
なんでこんなことを言われているんだろう。古泉ってこんな奴だった?一瞬浮かんだ温かい古泉の残像がすぐに掻き消される。今度は胸を摘み爪を立てる痛みで。
「真っ赤に腫らして、気持ちよくてしょうがないんでしょう?きっと僕以外が触ってもこんな反応するんですよね?」
「ち、」
違う、そう言いたいのに古泉はそれも許さない。前を刺激するスピードを速めて体に言うことを聞かせてくれない。
泣きたい。悲しい。なんでこんな・・・。
「他の人にも見せてあげましょうか」
ベッドサイドから取り出し構えられたデジタルカメラからあ、と思う間もなく迸るフラッシュに目が眩む。目を開けた時には古泉がそのデジカメを見て嗤っていた。
「自分でも見て下さいよ。やらしい顔。やらしい姿。脅しにでも使いましょうか。神の御機嫌取りに、あなたの勝手な行動の抑制に、僕の思い通りに動いてくれる為に!」
泣きたい気持ちで睨みつけたら、古泉が諦めた様に無理矢理口を歪めた。小さい声で呟くのはすべて聞き取れない。
「・・・から、早く、逃げて・・・さい」
デジカメをコトリと置いた古泉が離していた身体を寄せて耳元で囁く。声はすっかり落ち着いて、さっきまでの古泉が嘘の様。
「こんな僕なんかに掴まらないで?」
この腕が自由だったら、俺は古泉を抱き締めたかもしれない。
もし望まれていないとしても、真意がわからないから何も言えない。言いたくない。わからないけど、古泉が俺を好きならいいのに。そしたらこう言ったのに。
《「掴まらないなんて無理だ、それなら「好きだ」なんて言うもんか」》
そう言った時笑顔でいてくれていたなら、どんなにか幸せだっただろうに。
闇に呑み込まれる様に、言いたかった言葉は声になる前にどこかへ消えてしまった。




END


08.8.3
濁った瞳じゃ真実なんて見えないとしたらそもそも濁りの原因は何なのだろう





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